「家計簿をつけなきゃ…」と思いつつも、忙しさに追われて続かない…。
シングルマザーとして仕事と育児を両立しながら、家計簿までつける余裕があるのかしら?
そんな疑問や悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、実際のシングルマザーの家計簿例をもとに、無理なく続けるためのコツや工夫をご紹介します。日々忙しい中でも取り入れやすい方法で、お金の管理をスムーズに行っていきましょう。
実際の家計簿例①:2児のママ(週4事務職・月収27万円)

離婚後の生活設計を具体的に検討するためには、現状の家計簿をつけて生活費の内訳を把握することが重要です。
ここでは、小学生と幼稚園児の2人の子どもを育てるAさん(38歳)の家計簿を例に見ていきましょう。
月の手取り収入 | 約22万円 |
児童扶養手当 | 約5万円 |
月の総収入 | 約27万円 |
Aさんは事務職として週4日勤務しており、月の手取り収入は約22万円。これに児童手当と児童扶養手当を合わせた約5万円が加わり、月の総収入は約27万円となっています。
総務省統計局の家計調査によると、シングルマザーの平均生活費は1ヶ月23万円〜24万円程度ですので、収入に余裕がある方と言えるでしょう。
固定費・生活費・貯蓄・自由費のバランス
Aさんの家計簿の特徴は、収入を「生活費」「固定費」「貯蓄」「自由費」の4つの項目に分けて管理していること。それぞれの割合や使い道を細かく設定することで、無理なくやりくりしています。
固定費の内訳
家賃 | 8万円 |
光熱費 | 2万円 |
通信費 | 1万円 |
保険料 | 1.5万円 |
具体的な内訳を見てみましょう。まず「固定費」には家賃8万円、光熱費2万円、通信費1万円、保険料1.5万円の計12.5万円を充てています。
生活費の内訳
食費 | 3万円 |
日用品 | 1万円 |
子どもの教育費・習い事 | 2万円 |
「生活費」は食費3万円、日用品1万円、子どもの教育費・習い事2万円の計6万円。
貯蓄の内訳
教育資金 | 3万円 |
緊急用 | 1.5万円 |
「貯蓄」は教育資金に3万円、緊急用に1.5万円の計4.5万円。
残りの約4万円を「自由費」として、交際費や衣服費、趣味などに使っています。
特に注目したいのは、Aさんが「子ども優先」ではなく「自分の時間やお金」も大切にしていること。
「無理に節約して疲れてしまうより、適度に楽しみながら続けるほうが長続きする」というAさんの考え方は、多くのシングルマザーが参考にできるポイントかもしれません。
「なんか理想的すぎない?実際はもっと苦しいんじゃ…」と思われるかもしれませんね。確かに人それぞれ状況は違います。
でも大切なのは「配分の考え方」です。収入が違っても、固定費を抑える工夫や優先順位をつける考え方は参考になるはずです。
実際の家計簿例②:パート勤務ママ(月収23.5万円)

次に、保育園児1人を育てるBさん(32歳)の家計簿を見てみましょう。Bさんはパート勤務で、月の手取り収入は約18万円。
これに児童手当と児童扶養手当の約5.5万円を加えた月の総収入は約23.5万円です。母子家庭の生活は、子どもが1人から2人の場合で平均月20万円前後だといわれています。
Aさんに比べると収入は少なめですが、実家の近くに住んでいることもあり、上手にやりくりしています。
支出の優先順位でやりくり
Bさんの家計簿の特徴は、支出を「必要不可欠なもの」と「あれば便利だけど必須ではないもの」に明確に分けていること。限られた収入の中で優先順位をはっきりさせることで、無駄な出費を抑えています。
支出の内訳
家賃 | 6万円 |
光熱費 | 1.5万円 |
通信費 | 8千円 |
保育料 | 1.2万円 |
食費 | 3万円 |
日用品費 | 8千円 |
子どもの衣服・雑費 | 1万円 |
貯蓄 | 2万円 |
Bさんの家計簿を詳しく見ると、家賃は6万円と抑えめです。実家の近くの安い物件を選んだことと、母子家庭向けの住宅手当を利用していることが理由です。光熱費は約1.5万円、通信費は約8千円(格安スマホを利用)。保育料は1.2万円ですが、自治体の補助を受けています。
食費は月3万円程度で、週末に実家で食事をすることも多いそう。日用品費は約8千円、子どもの衣服や雑費に約1万円を使っています。毎月の貯蓄は2万円で、「教育費」と「緊急時用」に分けて積み立てています。
「実家の近くに住めると助かるよね…でも私は地元を離れているからそれは難しいな」という方もいらっしゃるでしょう。環境は人それぞれですよね。
でもBさんの「優先順位をつける」考え方は、どんな状況でも参考になると思います。限られた収入でも、何を大切にするかを決めることが重要なのです。
Bさんの家計管理で特に参考になるのは、支出の優先順位づけです。「子どもの健康と安全」「安定した住居」「将来の教育費」を最優先として、その他は状況に応じて調整しています。
例えば、子どもの誕生日や特別なイベントの月は貯蓄を少し減らして思い出づくりに使い、通常月は贅沢を控えめにするといった柔軟性も大切です。
家計簿を続けるためのモチベーション維持法

家計簿をつけ始めたものの、「だんだん面倒になってきた…」「つけ忘れが増えてきた…」という経験はありませんか?
実は、家計簿が続かない最大の理由は「モチベーションの低下」なんです。
特にシングルマザーとして日々の忙しさに追われていると、家計簿をつける時間や気力を確保するのは簡単ではありません。
でも、ちょっとした工夫で続けるモチベーションを維持することはできます。
目標設定と小さなご褒美
家計簿を長く続けるためには、適切な「目標設定」と「ご褒美システム」が効果的です。
まず目標設定については、「完璧な家計簿をつける」という高すぎる目標ではなく、「週に1回15分だけ記録する」「3ヶ月続ける」など、達成可能な小さな目標から始めましょう。
小さな成功体験を積み重ねることで、「自分にもできる」という自信が生まれ、継続する力になります。
家計簿に苦手意識を持つ方もいるかもしれませんが、家計管理を効率化させることで無理なく収支を見える化できます。
例えば、金融機関のインターネットバンキングを家計簿アプリと併用すれば、アプリ1つで口座はもちろん、クレジットカードや電子マネーの管理が可能です。
続けるためのもう一つの秘訣は「ご褒美システム」です。家計簿を続けた自分へのご褒美を事前に決めておくことで、モチベーションが維持しやすくなります。
例えば、「1ヶ月続いたら好きなカフェでのんびりする時間を作る」「3ヶ月続いたら欲しかった本を買う」といった具体的なご褒美を設定してみましょう。
ただし、ご褒美のために家計を圧迫するような高額なものは避け、予算内で自分が本当に嬉しいと感じるものを選ぶことがポイントです。
また、達成感を視覚化するために、カレンダーやノートに「家計簿をつけた日」に印をつけていくのも効果的。
続いた日数が増えていくのを目で見ることで、「もう〇日も続いているから、今日もやろう」という気持ちになりやすくなります。

でも結局、家計簿をつけても貯金できなかったりすると、がっかりしてやめちゃいそう…

そうならないために、最初の目標は「お金を貯める」ではなく「知る」ことに設定するといいですよ。「今の自分の家計を知るための3ヶ月」と思えば、プレッシャーも少なくなります。
完璧主義はNG!つけ忘れは気にしない
もう一つ大切なのは、「完璧主義をやめる」ことです。「つけ忘れた日があった」「レシートをなくした」からといって、すべてを投げ出す必要はありません。
思い出せる範囲でざっと記録するか、その日はスキップして次の日から再開すればOK。
離婚・死別・未婚の母など、さまざまな理由でシングルマザーとして子どもを育てている人も多いのではないでしょうか。
母子家庭では子育ての傍ら、生活費や学費を工面しながら自身の老後のことも考えなければならず、不安が多いはずです。
家計簿の目的は「自分を縛ること」ではなく「お金と上手に付き合うこと」なのですから。チェック漏れや記入漏れがあったとしても、それは自分を責める理由にはなりません。大切なのは続けることなのです。
また、家計簿をつけることで「我慢しなきゃ」というストレスを感じるようなら、最初から「節約」を目指すのではなく、単に「知る」ことを目的にしましょう。
まずは自分の家計の現状を知り、慣れてきたら少しずつ改善点を考えていくというステップを踏むことで、無理なく続けられます。
SNSや仲間とつながって家計簿を楽しもう

「家計簿を続けるのが難しい」と感じるもう一つの理由は、「一人で頑張っている」と孤独を感じてしまうことかもしれません。
特にシングルマザーの場合、日々の生活の中で家計について話し合う相手がいないことも多いでしょう。
そんなときに力になるのが「家計簿仲間」の存在です。同じ目標を持つ仲間がいることで、モチベーションの維持や情報共有につながり、継続する力になります。
家計簿仲間を見つける方法はいくつかあります。まず、SNSでの家計簿コミュニティがおすすめです。
InstagramやTwitterでは「#家計簿」「#家計管理」「#節約生活」などのハッシュタグで検索すると、多くのユーザーが自分の家計簿や節約術を公開しています。特に同じシングルマザーの投稿は参考になることが多いはず。
また、Facebookグループにもシングルマザー向けの家計管理グループが存在します。
こうしたオンラインコミュニティでは、「今月の電気代が高かった」「子どもの習い事をどうやりくりしている?」といった具体的な悩みも共有しやすいでしょう。
「SNSで自分の家計を公開するのって、ちょっと恥ずかしい気もするけど…」という心配もあるかもしれませんね。個人が特定されるような情報は出さなくても大丈夫ですよ。
金額や内訳だけを共有したり、工夫してるポイントだけをシェアしたりする人も多いです。自分に合った範囲で参加できるのがいいところです。
オフラインでの交流も有効です。地域の子育て支援センターやシングルマザー向けの交流会では、家計や生活に関する情報交換の場があることも。
また、自分から「家計管理について話し合う会」を小規模で企画してみるのも一つの方法です。
- 地域ならではの節約情報(安いスーパー、子ども服の交換会など)
- 自分では思いつかなかった節約アイデア
- 挫折しそうになったときの励まし
- 共通の目標を持つことによるモチベーション維持
- シングルマザー特有の悩みや工夫の共有
こども家庭庁がどんなことをするところか知らない方も多いかもしれませんが、シングルマザーが利用できる制度が思いのほか多くあり、母子家庭向けの就労支援も複数あるようです。詳細を確認してスキルアップを図るのも良いでしょう。
家計簿を仲間と一緒につけることで、単なる「お金の記録」から「生活の充実」へとつながっていきます。お互いに励まし合いながら、無理なく続けていきましょう。
- 家計簿は毎日つけなければいけませんか?
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毎日つける必要はありません。自分のライフスタイルに合った頻度で続けられることが一番大切です。週末にまとめてつけたり、レシートを一箇所に集めておいて月末にまとめて記録したりする方法も効果的です。無理なく続けられる方法を見つけましょう。
- シングルマザーにおすすめの家計簿アプリはありますか?
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銀行口座やクレジットカードと連携して自動記録してくれる「Moneytree」、支出の傾向をグラフで分析できる「マネーフォワード ME」、レシート読み取り機能で入力が楽な「Zaim」などが人気です。無料版から試してみて、自分に合ったものを選ぶといいでしょう。特に自動連携機能は時間のないシングルマザーには大きな味方になります。
- 家計簿をつけていても貯金ができません。どうすればいいですか?
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まずは「知る」ことから始めましょう。家計簿をつけることで、お金の流れや無駄な支出が見えてきます。その上で、固定費の見直し(格安スマホへの乗り換えなど)や、「先取り貯金」(給料日に最初に一定額を貯金に回す方法)を試してみてください。また、シングルマザー向けの支援制度(児童扶養手当など)を最大限活用することも大切です。少額からでも始めれば、貯金の習慣が身につきます。
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